統計資料

令和6年中における特殊詐欺の情勢と今後の体制強化等について
※ 令和6年中の数値は暫定値で、各数値の増減は前年対比を示す。
【特殊詐欺の特徴】
  • 特殊詐欺の認知件数と被害額は、いずれも前年より増加し過去最多
  • 都道府県別では、特殊詐欺全体の認知件数が全国ワースト6位、被害額が全国ワースト7位
  • 架空料金請求詐欺の認知件数と被害額は減少したものの、オレオレ詐欺と還付金詐欺の認知件数と被害額が増加するなど、極めて深刻な状況
  • 特に、インターネットバンキング利用による被害額が大幅に増加
  • 国際電話番号の犯行利用が急増
  • オレオレ詐欺の手口が親族騙り(息子等)から警察官騙りに変化
  • 県民の協力で水際阻止件数は大幅に増加

  • 【SNS型投資・ロマンス詐欺の特徴】
  • SNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数と被害額は、いずれも前年より増加し過去最多
  • 都道府県別では、SNS型投資・ロマンス詐欺全体の認知件数が全国ワースト2位、被害額が全国ワースト3位
  • SNS型ロマンス詐欺の認知件数・被害額は、いずれも全国ワースト1位
  • 被害額は特殊詐欺の3倍を超え、極めて深刻な情勢
  • 被害者の年齢層が、高齢者だけではなく現役世代も被害
  • 特殊詐欺の認知状況
    情勢全般
  • 令和6年中における特殊詐欺の認知件数は1,445件で、前年と比較すると221件増加。被害額は約31億9,000万円で約10億円増加
  • 手口別の認知件数と被害額では、オレオレ詐欺が大幅に増加
  • 交付形態別の被害割合をみると、特にインターネットバンキング利用による被害額が大幅に増加
  • 図表1 特殊詐欺の認知件数・被害額の推移(全国対比)
      R2 R3 R4 R5 R6 増減
    兵庫県 認知件数 1,027 859 1,074 1,224 1,445 221 18.1%
    被害額(億円) 16.9 12.0 19.1 21.9 31.9 10.0 45.6%
    全国 認知件数 13,550 13,498 17,570 19,038 20,987 1,949 10.2%
    被害額(億円) 285.2 282.0 370.8 452.6 721.5 268.9 59.4%

    図表2 特殊詐欺手口別認知件数の推移
      R2 R3 R4 R5 R6 増減
    オレオレ詐欺 44 32 61 86 244 158 183.7%
    預貯金詐欺 348 69 58 94 143 49 52.1%
    架空料金請求詐欺 217 305 410 511 425 -86 -16.8%
    還付金詐欺 288 310 394 355 456 101 28.5%
    その他 35 20 12 14 52 38 271.4%
    キャッシュカード詐欺盗 95 123 139 164 125 -39 -23.8%
    総計 1,027 859 1,074 1,224 1,445 221 18.1%

    図表3 特殊詐欺手口別被害額の推移
      R2 R3 R4 R5 R6 増減
    オレオレ詐欺 1.9 1.0 2.6 4.5 16.7 12.2 267.8%
    預貯金詐欺 5.8 0.8 0.7 2.6 1.1 -1.5 -56.6%
    架空料金請求詐欺 4.9 5.1 9.5 7.7 6.3 -1.3 -17.5%
    還付金詐欺 2.6 2.9 3.5 3.7 5.9 2.3 61.8%
    その他 0.6 0.3 0.2 0.9 1.1 0.2 26.9%
    キャッシュカード詐欺盗 1.1 1.9 2.5 2.5 0.7 -1.9 -73.6%
    総計 16.9 12.0 19.1 21.9 31.9 10.0 45.6%

    図表4 手口別被害状況(被害額)
    手口別被害状況(被害額)
    図表5 交付形態別被害状況(被害額)
    交付形態別被害状況(被害額)
    オレオレ詐欺の被害状況
  • 騙り別の発生状況割合をみると、令和5年中は警察官騙りが14%であったが、令和6年中は50%と増加
  • 65歳以上の高齢者の割合は、令和5年中は78%であったが、令和6年中は55%に減少しており、現役世代の被害割合が増加
  • 交付形態別割合をみると、令和5年中はインターネットバンキングが約1億9,000万円であったが、令和6年中は約8億1,000万円と大幅な増加
  • 【手口の典型例】
    警察官を騙り、被害者が犯罪に関与していることを電話で告げ、LINEに誘導した後、偽の警察手帳や逮捕状を示し、警察官であることを信用させ、「資金調査」や「保釈金」などの名目で、インターネットバンキングから送金させる手口
    図表6 騙り別発生状況(オレオレ詐欺)
    騙り別発生状況(オレオレ詐欺)
    図表7 被害者年代別発生状況(オレオレ詐欺)
    被害者年代別発生状況(オレオレ詐欺)
    図表8 交付形態別発生状況(オレオレ詐欺の被害額)
    交付形態別発生状況(オレオレ詐欺の被害額)
    還付金詐欺の被害状況
  • 犯人のアプローチをみると、令和5年・令和6年ともに99%が固定電話
  • 65歳以上の高齢者の割合は、令和5年は88%、令和6年は89%と高水準
  • 交付形態別をみると、ATMでの交付が令和5年は約3億6,000万円であったが、令和6年は約5億4,000万円に、インターネットバンキングは令和5年が約460万であったが、令和6年は約5,000万円にそれぞれ増加
  • 【手口の典型例】
    市役所職員を騙り、自宅固定電話に「還付金が受け取れる」などと電話をかけ、ATMに誘導し、現金を振り込ませる手口
    図表9 交付形態別発生状況(還付金詐欺)
    交付形態別発生状況(還付金詐欺)
    相談件数
    令和6年中は10,443件受理し、前年対比で2,810件増加している。
    図表10 相談の推移
      R2 R3 R4 R5 R6 増減
    相談件数 4,769 3,976 5,028 7,633 10,443 2,810 36.8%

    犯行ツール
  • 犯人からのアプローチ状況をみると、令和5年中は被害者の携帯電話への連絡が1,068件であったが、令和6年中は3,021件と増加
  • 犯行利用電話番号種別状況をみると、令和5年中は国際電話が2,208件であったが、令和6年中は5,174件と増加
  • 図表11 犯人からのアプローチ状況
    図表12 犯行利用電話番号種別状況
    犯行利用電話番号種別状況
    水際阻止状況
  • 令和6年中において、親族などの声掛けにより、被害を水際で阻止した件数は2,322件であり、前年と比較して338件増加
  • 阻止した者の内訳は、親族が約35%、コンビニエンスストア店員が約29%、次いで金融機関職員が約16%の順
  • 図表13 水際阻止者状況
    水際阻止者状況
    検挙状況
    令和6年中は、208件66名を検挙している。
    図表14 特殊詐欺被疑者検挙人員の推移
      R2 R3 R4 R5 R6 増減
    検挙件数 226 211 148 192 208 16 8.3%
    検挙人員 86 80 48 77 66 -11 -14.3%

    SNS型投資・ロマンス詐欺の認知状況
    情勢全般
    令和6年中におけるSNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数は914件で、前年と比較するとプラス529件、被害額は約106.2億円で同じくプラス約61.4億円といずれも大幅に増加
    月別推移をみると、認知件数は前年同月と比較し大幅に増加。4月の114件をピークに以後はやや減少し75件前後で推移
    図表15 SNS型投資・ロマンス詐欺の認知状況
      R5 R6 増減
    兵庫県 認知件数 385 914 529 137.4%
    被害額(億円) 44.8 106.2 61.4 137.1%
    全国 認知件数 3,846 10,164 6,318 164.3%
    被害額(億円) 455.3 1,268.0 812.7 178.5%

    図表16 月別推移(SNS型投資・ロマンス詐欺)
    月別推移(SNS型投資・ロマンス詐欺)

    SNS型投資詐欺の被害状況
  • 既遂1件当たりの平均被害額は約1,190万円
  • 被害者の性別は、男性が335人、女性が265人と、男性が女性を11.6ポイント上回り、年齢層は男性、女性ともに40代~70代が多数を占め、幅広い年代に被害
  • 被害額の分布は、500万円未満の割合が全体の52.0%を占めるが、500万円以上の合計被害額は約65.7億円と、全体の被害額の92.0%
  • 被害金の主たる交付形態は振込型が全体の88.7%を占め、振込型の66.0%がインターネットバンキングを利用
  • 最初の接触ツールとしてインスタグラムやフェイスブック、LINEで全体の半数を超過
  • 欺罔に利用されたツールは92.7%がLINE
  • 最初の接触手段としてバナー等広告50.2%、ダイレクトメッセージ34.8%で全体の85.0%
  • バナー等広告による接触は4月のピーク以降減少しダイレクトメッセージと同水準で推移
  • 【手口の典型例】
  • インスタグラム、フェイスブック、LINE等のバナー等広告やダイレクトメッセージを入口にしてLINEでのやり取りへ誘導、投資話を持ち掛け、個人や法人名義の口座、暗号資産送金先アドレスを指定し現金を振り込ませる、暗号資産を送金させる等し、投資アプリ上で利益が出ているように見せかけ、出金を試みると様々な理由をつけ出金に応じず、騙し取る手口
  • バナー等広告の「動画を視聴するだけで少額の報酬がもらえる」などと謳う副業を入口とし、その後、高額タスク等と称し「自己の資金を振り込むと利益が出る」と謳う投資話に誘導し、金銭をだまし取る手口

  • 図表17 月別推移(SNS型投資詐欺)
    月別推移(SNS型投資詐欺)

    図表18 被害者の性別及び年齢層
    被害者性別
     
    被害者年齢層

    図表19 被害額の分布
    被害額の分布

    図表20 被害金の主たる交付形態及び振込型のネットバンキング利用状況
    交付形態
    振込型の利用状況

    図表21 犯行ツール(最初の接触ツール・欺罔に利用されたツール)
    最初の接触ツール
    欺罔に利用されたツール

    図表22 当初の接触手段
    当初の接触手段

    図表23 バナー等広告及びダイレクトメッセージの内訳
    バナー等広告
    ダイレクトメッセージ

    図表24 バナー等広告とダイレクトメッセージの月別推移
    当初の接触手段

    SNS型ロマンス詐欺の被害状況
  • 既遂1件当たりの平均被害額は約950万円
  • 月別推移をみると、認知件数は年間を通じて30件前後で推移
  • 認知件数は69.7%、被害額は84.9%が投資名目
  • 被害者の性別は、男性が195人、女性が119人と男性が女性を24.2ポイント上回り、年齢層は男性、女性ともに40代~60代が多数を占め、現役世代も被害
  • 被害額の分布は、500万円未満の割合が全体の57.0%を占めるが、500万円以上の合計被害額は約31.9億円と全体の被害額の91.7%
  • 被害金の主たる交付形態は振込型が全体の81.5%を占め、振込型の52.3%がインターネットバンキングを利用
  • 最初の接触ツールとしてマッチングアプリやインスタグラム、フェイスブックで全体の80.6%
  • 欺罔に利用されたツールは93.9%がLINE
  • 最初の接触手段としてダイレクトメッセージが全体の96.2%
  • ダイレクトメッセージの内訳はマッチングアプリ(42.7%)、インスタグラム(19.9%)、フェイスブック(19.5%)で全体の82.1%
  • 【手口の典型例】
  • マッチングアプリ、インスタグラム、フェイスブック等のダイレクトメッセージで接触し、LINEでのやり取りへ誘導、やり取りを重ねて恋愛感情や親近感を抱かせ投資に誘導し金銭を騙し取る手口
  • マッチングアプリ、インスタグラム、フェイスブック等のダイレクトメッセージで海外の医師や軍関係者を装って接触し、LINEでのやり取りへ誘導した後、やり取りを重ねて恋愛感情や親近感を抱かせ交際の継続を前提に渡航費や荷物の運送費用名目で金銭をだまし取る手口

  • 図表25 月別推移(SNS型ロマンス詐欺)
    月別推移(SNS型ロマンス詐欺)

    図表26 被害者の性別及び年齢層
    性別
    年齢層

    図表27 被害額の分布
    被害額の分布

    図表28 被害金の主たる交付形態及び振込型のネットバンキング利用状況
    交付形態
    振込型の利用状況

    図表29 犯行ツール(最初の接触ツール・欺罔に利用されたツール)
    最初の接触ツール
    欺罔に利用されたツール

    図表30 当初の接触手段及びダイレクトメッセージの内訳
    当初の接触手段
    ダイレクトメッセージ

    図表31 名目の内訳
    名目

    検挙状況
    令和6年中は、25件8名を検挙
    図表32 検挙状況(SNS型投資・ロマンス詐欺の検挙件数・検挙人員)
      検挙件数 検挙人員      
    日本人 外国人 暴力団構成員等
    合計 25 8 6 2 0
    SNS型投資詐欺 5 3 2 1 0
    SNS型ロマンス詐欺 20 5 4 1 0

    主な特殊詐欺対策
    検挙対策
    • 特殊詐欺捜査の推進、犯行グループの壊滅に向けた体制強化
      • 初動捜査及び犯行グループに打撃を与える突き上げ捜査等を一層推進するため、特殊詐欺特別捜査隊及び警察署に所要の人員を増配置
      • 事件の背後にいる首謀者を含めた匿名・流動型犯罪グループ等の弱体化・壊滅を目的に、あらゆる法令を駆使した効果的かつ多角的な取り締まりを推進するため、組織犯罪対策課に所要の人員を増配置
    抑止対策
    • 自治体等による広報啓発(依頼)
    • 広報啓発の本部への集約化
    • 兵庫県警察安全安心アプリ「ひょうご防犯ネット+(プラス)」の運用開始
    • 電話機対策の徹底(国際電話取扱休止サービス等)
    • 闇バイト対策(リプライ警告等の実施)
      リプライ警告実施件数
        R5 R6 増減
      実施件数 760 7,647 6,887
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    令和5年中における特殊詐欺の情勢について
    ※ 数値は確定値
    ※ 各値の増減は前年比
    【令和5年中の特徴】
  • 特殊詐欺の認知件数、被害額とも前年より増加し、認知件数・被害額とも過去最多である。
  • 「架空料金請求詐欺」は増加、「還付金詐欺」は減少したものの、依然として高い数値で推移しており、この2つの手口で全手口の約7割を占めている。
  • コンビニエンスストア店員による水際阻止件数が大幅に増加した。
  • 特殊詐欺の認知状況
    情勢全般
  • 令和5年中における特殊詐欺の認知件数は1,224件で、前年と比較するとプラス150件、被害額は約21億9,000万円で、同プラス約2億8,000万円といずれも増加。
  • 【図表1】 特殊詐欺認知件数・被害額の推移(被害額単位:億円)
      H30 R1 R2 R3 R4 R5 前年比
    認知件数 773 658 1,027 859 1,074 1,224 150
    被害額 18.4 11.0 16.9 12.0 19.1 21.9 2.8

    【図表2】 特殊詐欺手口別認知件数の推移
      H30 R1 R2 R3 R4 R5 増減
    オレオレ詐欺 240 68 44 32 61 86 25
    預貯金詐欺 - 246 348 69 58 94 36
    架空料金請求詐欺 388 171 217 305 410 511 101
    還付金詐欺 59 8 288 310 394 355 -39
    その他 37 27 35 20 12 14 2
    キャッシュカード詐欺盗 49 138 95 123 139 164 25
    総計 773 658 1,027 859 1,074 1,224 150
    ※「架空料金請求詐欺」
    未払いの料金があるなど架空の事実を口実とし金銭等をだまし取る手口
     「還付金詐欺」
    税金還付等に必要な手続きを装って被害者にATMを操作させ、口座間送金により財産上の不法の利益を得る手口

    【図表3】 認知件数における手口別割合
    認知件数における手口別割合
    地域別・年代別割合
  • 地域別の発生状況を見ると、被害の約7割を神戸・阪神地域が占めている。
  • 特殊詐欺全体の被害者の年代別割合をみると、高齢者(65歳以上)が全体の約8割を占めている。
  • 【図表4】 地域別発生状況

    グラフ

    【図表5】 被害者年代別

    グラフ
    相談件数
    令和5年中は7,633件受理し、前年対比で2,605件増加している。
    【図表6】
      H30 R1 R2 R3 R4 R5 増減
    相談件数 4,806 4,480 4,774 3,976 5,028 7,633 2,605

    検挙状況
    令和5年中は、192件77名を検挙している。
    【図表7】 特殊詐欺被疑者検挙人員の推移
      H30 R1 R2 R3 R4 R5 増減
    検挙件数 227 185 226 211 148 192 44
    検挙人員 108 91 86 80 48 77 29
    水際阻止の状況
  • 令和5年中において、コンビニエンスストア店員などの声掛けにより被害を水際で阻止した件数は1,984件であり、前年と比較して313件増加している。
  • 阻止した者の内訳は、コンビニエンスストア店員が約42%、親族が約29%、次いで金融機関職員が約13%の順となっている。
  • 【図表8】 水際阻止者の割合

    主な特殊詐欺対策
    1. でんでんむし運動の推進~固定電話対策
      • ○ 自治体の自動録音機能付電話機購入補助事業等の創設・拡充の働き掛け
      • ○ 高齢者やその家族等に対する自治体の補助事業等を活用した固定電話機の防犯対策の推奨
      • ○ NTT西日本の無償化サービス、国際電話休止サービスの利用促進
    2. 戸別訪問活動の強化~高齢者対策
      • ○ 高齢者宅への戸別訪問による注意喚起の強化
        手口や対処方法の説明、留守番電話設定等の補助を実施
        高齢者の家族に対する被害防止に関する協力依頼
      • ○ 神戸市福祉局等関係機関との連携
    3. 官民一体となった被害防止活動の推進~水際阻止対策、広報啓発
      • ○ 還付金対策~「ストップ!ATMでの携帯電話」運動の推進
        「特殊詐欺水際阻止協力の店(家)」によるATM利用者への声掛けと通報依頼
        オートコールシステムによる協力者への情報発信
         ※ ひょうごTECHイノベーションプロジェクトによる試行運用
      • ○ 架空料金請求詐欺対策~コンビニエンスストアによる被害防止対策の促進
        電子マネー購入客への説明シートの活用
        毎日の立寄りによる被害防止の協力依頼
      • ○ 学生防犯ボランティア「ブルーフェニックス隊」との広報啓発
    検挙対策
    1. 匿名・流動型犯罪グループ対策
      近年、SNSを通じるなどした緩やかな結びつきで離合集散を繰り返す犯罪グループが特殊詐欺や強盗、窃盗、薬物売買等を広域的に敢行する状況が見受けられることから、これらグループに対する戦略的な取締りを強化するため、令和6年度より組織犯罪対策部門、保安部門等から成る専従体制を構築する。
    2. 広域的な捜査連携の強化
      従来の発生地管轄主義にこだわらず、全国警察が一体となり迅速かつ効果的な捜査を推進するため、全ての都道府県警察に「特殊詐欺連合捜査班(捜査嘱託受理体制)」を構築し、捜査嘱託事項の拡大を実施する。
      本県においても、専従体制を構築するとともに首都圏警察等へ捜査員を派遣する。
    3. 犯罪収益関連犯罪の積極的な取締り
      特殊詐欺事件捜査を組織犯罪対策部門に移管し、組織犯罪捜査手法を取り入れた効果により、令和5年中、組処法(マネロン罪)の適用が増加した。
      〈組処法検挙状況〉~前提犯罪が特殊詐欺のもの
        令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 前年対比
      検挙件数 - - 1 9 13 +4
      ※令和元年及び令和2年は、統計数値なし。
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    令和4年中における特殊詐欺の情勢について
    ※ 数値は確定値
    ※ 各値の増減は前年比
    【令和4年中の特徴】
  • 特殊詐欺の認知件数、被害額とも前年より増加している。
  • 「架空料金請求詐欺」及び「還付金詐欺」が大幅に増加しており、この二つの手口による犯行が認知件数の約75%を占めている。
  • コンビニエンスストア店員等による水際阻止件数が増加している。
  • 特殊詐欺の認知状況
    情勢全般
  • 令和4年中における特殊詐欺の認知件数および被害額は前年より増加。特に架空料金請求詐欺と還付金詐欺の増加が大きい。
  • 【図表1】 特殊詐欺認知件数・被害額の推移(被害額単位:億円)
      H30 R1 R2 R3 R4 増減
    認知件数 773 658 1,027 859 1,074 215
    被害額 18.4 11.0 16.9 12.0 19.1 7.1

    【図表2】 特殊詐欺手口別認知件数の推移
      H30 R1 R2 R3 R4 増減
    オレオレ詐欺 240 68 44 32 61 29
    預貯金詐欺 - 246 348 69 58 -11
    架空料金請求詐欺 388 171 217 305 410 105
    還付金詐欺 59 8 288 310 394 84
    その他 37 27 35 20 12 -8
    キャッシュカード詐欺盗 49 138 95 123 139 16
    総計 773 658 1,027 859 1,074 215
    ※「架空料金請求詐欺」
    未払いの料金があるなど架空の事実を口実とし金銭等をだまし取る手口
    ※「還付金詐欺」
    医療費の還付等に必要な手続きを装って被害者にATMを操作させ、振込み手続きを行わせて預貯金をだまし取る手口

    【図表3】 認知件数における手口別割合
    認知件数における手口別割合
    地域別・年代別割合
  • 地域別の発生状況を見ると、被害の75%を阪神・神戸方面が占めている。
  • 特殊詐欺全体の被害者の年代別割合をみると、高齢者(65歳以上)が全体の81%を占めている。
  • 【図表4】 地域別発生状況

    【図表5】 特殊詐欺被害者年代別

    相談受理の状況
  • 令和4年中における特殊詐欺の相談件数は5,024件で、前年からプラス1,052件と大幅に増加している。
  • 【図表6】 特殊詐欺相談件数の推移
      H30 R1 R2 R3 R4 増減
    認知件数 4,806 4,480 4,774 3,976 5,028 1,052

    検挙状況
  • 令和4年中は、148件48名を検挙している。
  • 【図表7】 特殊詐欺被疑者検挙人員の推移
      H30 R1 R2 R3 R4 増減
    検挙件数 227 185 226 211 148 -63
    検挙人員 108 91 86 80 48 -32


    水際阻止の状況
  • 令和4年中において、コンビニエンスストア店員などの声掛けにより被害を水際で阻止した件数は1,671件であり、前年同期と比較して598件増加している。
  • 阻止した者の内訳は、親族が一番多く31.4%、次いでコンビニエンスストア店員が27.9%、金融機関職員が14.7%の順となっている。
  • 【図表7】 水際阻止者の割合



    主な特殊詐欺対策
    1. 「家族の絆」を活用した抑止対策
      • ○ でんでんむし運動の推進
      • ○ 高齢者世帯への戸別訪問による防犯指導の強化
    2. 「地域の絆」を活用した抑止対策
      • ○ 「ストップ!ATMでの携帯電話」運動の推進
      • ○ 特殊詐欺水際阻止協力の店(家)」への協力要請
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