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ネットワークを利用したねずみ講

ネズミ講のイラスト
悪質商法110番に「ネズミ講ではないか?」との問い合わせがあります。
いわゆる「ネズミ講」と呼ばれる「講」が発生したのは、昭和42年ころ、熊本市内に本拠を置く「天下一家の会・第一相互経済研究会」であると言われています。
この「ネズミ講」が社会的に注目されはじめたのは、一獲千金を夢見た加入者が、一定の現金を出して参加しても呼び掛けどおりの現金を手にすることができず、昭和45年末ころ「詐欺だ、インチキだ。」と声を上げたのが発端となり、国会でも問題となったことから、社会的な害悪を防止することを目的として、「無限連鎖講の防止に関する法律」が制定されました。
それでは、「ネズミ講」を取り締まるための法律(無限連鎖講の防止に関する法律)について説明することにしましょう。

「無限連鎖講の防止に関する法律」について

  1. 無限連鎖講は、終局的には破綻すべき性質のものであるのにもかかわらず、いたずらに関係者の射幸心をあおって、加入者の相当部分の者に経済的な損失を与えるとして、法は無限連鎖講の開設、運営、加入等の行為を禁止しています。
  2. 「ネズミ講(無限連鎖講)」って、何のこと?
    金品を出す加入者が無限に増加することを前提として、
    • 先に加入した者([先順位者]という。)が
    • これに連鎖して段階的に2以上の倍率をもって増加する後続の加入者([後順位者]という)
    が出す金品から、自己の出した金品の価額又は数量を上回る金品を受け取るという仕組みの「金品配当組織(ピラミッド形式になっている)」のことです。
  3. 「無限連鎖講の仕組み」は、どうなっている?
    先に加入した者(先順位者)が2人以上の者を勧誘し、更にこの2人以上の者が同じく2人以上ずつを勧誘して加入させていき、順次同様の方法により加入者を無限に拡大させ、先に加入した先順位者と同様に一定の時点で所定の金品を取得して、順次組織を離れていくという仕組みです。
  4. どんなことが、法律で禁止されているんですか?
    • 無限連鎖講を開設、運営
    • 無限連鎖講への加入、加入することを勧誘、これらの行為を助長する行為
    が禁止されています。
    したがって「ネズミ講」自体が、法律によって禁止されています。
  5. どんなことをすれば、処罰されるんですか?
    • 無限連鎖講を開設し、又は運営した人は、
      3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処せられます。
    • 業として無限連鎖講に加入することを勧誘した人は、
      1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。
    • 無限連鎖講に加入することを勧誘した人は、
      20万円以下の罰金に処せられます。
    ※1回でも勧誘すれば違反が成立します。

コンピュータ・ネットワークを利用したネズミ講について

コンピュータ・ネットワークを利用した「ネズミ講ではないか。」との問い合わせが数種類あり、中には法律が適用される可能性が高いものも含まれています。
誰も「ネズミ講です。」といって、勧誘する人などいません。
巧妙なセールストークで「少額の元手で友達などを勧誘すれば、簡単で、すぐに大金が手に入ります。」などと称して勧誘する手口です。
出す金額が、「少額だから加入しても大丈夫だろう。」と安易に考えたりせず、勧誘すれば処罰の対象となりますので、注意してください。